「老後のお金、どうしよう」

独り身でこの言葉が頭をよぎったとき、なんとなく不安だけが膨らんで、でも具体的に何をすればいいかわからないまま後回しにしてしまう——そんな経験はありませんか?

わたしもずっとそうでした。

ひとりみ歴25年以上、40代でフリーランスになったわたしにとって、老後のお金問題は「いつか考えよう」から「今すぐ考えなければ」に変わった瞬間がありました。

独身で、会社員でもない。
老後を一緒に支え合うパートナーもいない。
頼れるのは自分だけという現実を、40代になってようやく正面から見つめるようになりました。

この記事では、独り身フリーランスの老後のお金問題を具体的に整理して、今からできることをまとめます。

独り身の老後、何が不安なのか

窓際で椅子に座っている寂しい女性

漠然とした不安を整理すると、大きく4つに分けられます。

年金だけで生活できるのかという問題。
厚生年金がある会社員と違い、フリーランスは国民年金のみ。2026年度の満額でも月約7万円です。これだけで生活するのは現実的ではありません。

貯金がいくら必要かわからないという問題。
「老後2,000万円問題」という言葉は聞いたことがあっても、自分の場合いくら必要なのかが見えていない人がほとんどです。独身の場合は生活費・医療費・介護費用をすべて自分で賄う必要があります。

病気・入院したときに頼れる人がいないという問題。
手術の同意書・入院の保証人など、家族がいないと対応が難しい場面が出てきます。

認知症・判断能力が落ちたときの対応という問題。
財産管理や医療の意思決定を誰に任せるか。家族がいない場合、事前に手を打っておかないと、いざというときに困ります。

フリーランスの年金、実際いくらもらえる?

まず直視しないといけないのが年金の話です。

日本の公的年金は2階建て構造になっています。1階が国民年金(全員加入)、2階が厚生年金(会社員・公務員のみ)。フリーランスが受け取れるのは1階の国民年金のみです。

日本の公的年金の2階建て構造 フリーランス・自営業は1階の国民年金のみで月約7万円、会社員・公務員は2階の厚生年金も加わり月約14〜15万円を受給 フリーランス・自営業 会社員・公務員 厚生年金 フリーランスは対象外 (加入できない) 厚生年金 給与に応じて上乗せ 会社と折半で負担 2階 国民年金(基礎年金) 全員が加入 満額 月約7万円 国民年金(基礎年金) 全員が加入 (1階部分として含む) 1階 地面 受給額:月 約7万円 受給額:月 約14〜15万円

2026年度の国民年金の満額受給額は月約7万円(40年間納付した場合)。
一方、会社員の厚生年金の平均受給額は月約14〜15万円です。

その差、毎月約7〜8万円
年間で約90万円、30年では約2,700万円にもなります。

ただし、元会社員でフリーランスに転身した方は、会社員時代に納めた厚生年金も受け取れます。

自分の受給予定額は、ねんきんネットで確認できます。
まだ見たことがない方は、一度チェックしてみてください。想像より少なくてびっくりするかもしれませんが、知ることが第一歩です。

独り身の老後、いくら必要か

月々の生活費から逆算する

総務省の家計調査(2023年)によると、65歳以上・無職・単身世帯の月の平均消費支出は約14〜15万円です。

ただし都内在住・賃貸の場合は住居費がかかるため、月16〜20万円を想定しておくのが現実的です。

フリーランスの年金と生活費の差

国民年金の受給額(月約7万円)に対し、生活費(月16〜20万円)の差は毎月9〜13万円

これが老後20年続くと約2,160〜3,120万円、30年では約3,240〜4,680万円の不足になります。

「2,000万円問題」より多い。これがフリーランス独身の現実です。

でも、絶望しなくて大丈夫です。

大切なのは早く気づいて、早く動き出すこと。40代のうちに動けば、時間を味方にできます。

自分の数字を知ることが一番大事

老後に必要な金額は、毎月いくら使うか・年金がいくらか・何歳まで働くか・退職金があるかどうかで、人それぞれ大きく変わります。

「平均の数字」より「自分の数字」を把握することが重要です。

そのためにFP相談が役立つのですが、それは後ほど。

今からできること3つ

NISAで資産を育てる

新NISAは、運用益が非課税になる制度です。

年間最大360万円まで投資でき、生涯非課税枠は1,800万円。

40代から始めても20〜25年の運用期間があります。
毎月の積立額が少なくても、長期間続けることで複利の効果が働きます。

わたし自身、NISAでの積立投資を老後資金の柱にしています。
「投資は怖い」と思っていた時期もありましたが、長期の積立投資はギャンブルとは別物です。まず少額から始めることで、感覚がつかめてきます。

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iDeCo・付加年金で年金を上乗せする

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、掛け金が全額所得控除になる制度です。

フリーランスは月最大68,000円まで積み立てられます。

確定申告をしているフリーランスにとっては節税と老後資産の両立ができる、非常に有利な仕組みです。ただし60歳まで引き出せないため、余裕資金で始めることが前提です。

付加年金は、毎月の国民年金保険料に400円を上乗せするだけで将来の年金を増やせる制度です。

2年で元が取れる計算で、長生きするほど得。知られていない割にコスパは抜群なので、まだ加入していない方はぜひ確認してみてください。

FPに相談して「自分の数字」を出す

「なんとなく不安」から「具体的にいくら必要か」がわかると、行動が変わります。

わたし自身、FPに相談して初めて、自分の老後に必要な金額と「毎月いくら積み立てれば間に合うか」が見えてきました。
漠然とした不安が、具体的なアクションに変わった瞬間でした。

独り身・フリーランスという状況に合わせたアドバイスをもらえます。一度相談してみることをおすすめします。

お金以外の準備も忘れずに

老後のお金と並行して、考えておきたいことがあります。

独り身の場合、いざというときに頼れる家族がいない分、仕組みとして備えておく必要があります。

お金の準備と同じくらい、早めに動いておきたい3つを整理しました。

お金以外にも準備しておきたいこと
入院・手術の保証人問題
独り身の場合、入院時に保証人を求められることがあります。頼める家族がいない場合は、身元保証サービスを事前に契約しておく選択肢があります。
任意後見制度
認知症などで判断能力が低下したときに備えて、任意後見人を事前に決めておく制度です。信頼できる人や専門家(弁護士・司法書士)に依頼できます。
遺言書
独り身の場合、遺言書がないと財産が法定相続人(兄弟姉妹など)に渡ることになります。自分の意思で財産の行き先を決めたい場合は、早めに作成しておくことをおすすめします。
いずれも早めに準備しておくほど選択肢が広がります

詳しくは別記事で解説しています。気になるものからチェックしてみてください。

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まとめ|独り身の老後は「早く気づいた人が有利」

「老後のお金が不安」と思っているなら、まず自分の年金受給予定額を確認することから始めてみてください。

知ることで、不安が少しずつ「やるべきことリスト」に変わっていきますよ。

現状
フリーランスの年金は月約7万円(会社員の約半分)
老後の一人暮らし生活費は月16〜20万円(都内賃貸の場合)
毎月9〜13万円の不足が老後20〜30年続く
対策
NISAとiDeCoの併用が最も効率的な備え方
FP相談で「自分の数字」を把握することが行動の起点になる
まずねんきんネットで自分の受給予定額を確認するところから。5分でできます。