「引っ越したいのに、保証人を頼める人がいない」

独り身でフリーランスをしていると、賃貸の契約はハードルが高く感じます。

会社員でもない、頼める身内もいない、友人に重い責任を負わせるのは申し訳ない——。

でも実際には、保証人なしで賃貸を借りる方法はいくつかあります。

この記事では、ひとりみ歴25年・40代フリーランスの私が実際に経験してきた「賃貸の保証人問題」と、今使える3つの解決策をまとめます。

引っ越しを考えている方に、ぜひ読んでほしい内容です。

そもそも「保証人」と「保証会社」は違う

まず、混同されがちな2つの言葉を整理します。

連帯保証人(個人)

入居者が家賃を払えなくなった場合に、代わりに支払う義務を負う人のことです。

親・きょうだいなど、収入のある親族に頼むのが一般的ですが、独り身の場合は頼める相手がいなかったり、頼みにくかったりします。

連帯保証人には「家賃の36倍以上の年収」が求められることが多く、親が高齢・年金生活の場合は認められないケースもあります。

家賃保証会社(法人)

連帯保証人の代わりに、法人が保証人の役割を引き受けてくれるサービスです。

保証料を支払うことで、保証人がいなくても賃貸契約ができます。

近年は保証会社の利用を必須条件にしている物件が増えており、実質的に「保証人は不要・保証会社は必須」というケースが多くなっています。

つまり、個人の保証人がいなくても、保証会社を使えば借りられる物件がほとんどです。

独り身・フリーランスの賃貸、3つの解決策

解決策① 家賃保証会社を利用する(最もメジャーな方法)

保証人が不要になる代わりに、保証会社に保証料を支払う方法です。

フリーランスでも利用できますが、保証会社の審査があります。

💰 費用の目安
初回保証料 家賃の0.5〜1ヶ月分(契約時に支払い)
更新料 年間1〜2万円程度(1〜2年ごと)
例)家賃8万円 初回4〜8万円 + 更新料1〜2万円/年
💡 保証会社は大家さんが指定するケースがほとんど。自分では選べないため、まず物件の条件を確認しましょう。
🔍 審査で見られるポイント
収入 年収が家賃の36倍以上が目安 最重要
職業 フリーランスは「収入が不安定」と見られやすい 不利
クレヒス 過去5年以内の延滞・滞納歴を確認される 重要
勤続年数 フリーランス歴1年未満は確定申告書がなく不利
貯蓄 半年〜1年分の家賃相当の貯蓄があると有利
フリーランスが審査を通りやすくするコツ
1
職業欄は「フリーランス」ではなく具体的な職種名を書く(例:Webライター・グラフィックデザイナー)
2
確定申告書2〜3年分を準備する。節税しすぎると所得が低く見えるので注意
3
家賃は手取り月収の20〜25%以内の物件に絞って探す(会社員基準の30%より低め)
4
クレジットカードの支払いを期日通りに続けてクレヒスを良好に保つ
⚠️ フリーランス歴1年未満の場合は、前職の源泉徴収票と口座明細で「同程度の収入がある」と説明する方法も有効です。

クレジットカードの審査を通しておくと、賃貸審査にも有利です。

クレジットヒストリーを積み上げておくことが、独り身フリーランスの審査対策になります。

解決策② UR賃貸住宅を選ぶ(保証人も保証会社も不要)

保証人も家賃保証会社も不要で借りられる公的な賃貸住宅です。

UR都市機構(独立行政法人)が管理する賃貸住宅で、以下の特徴があります。

URのメリット
保証人・保証会社が不要:全物件で連帯保証人も保証会社も不要
礼金・仲介手数料・更新料がゼロ:初期費用と長期コストが大幅に抑えられる
契約更新が安心:家賃を払い続ける限り、原則ずっと住み続けられる
全国72万戸:都市部にも多く、一人暮らし向けの間取りも豊富
📋 URの入居条件
収入条件:月収が家賃の4倍以上
例)家賃6.2万円未満なら月収24万円以上が目安
または貯蓄条件:貯蓄額が家賃の100倍以上
例)家賃6万円なら600万円以上の貯蓄
収入証明書類:確定申告書(フリーランス)・源泉徴収票など
💡 フリーランスの場合、確定申告書の「所得金額等の合計」が審査対象になります。月収換算で家賃の4倍以上あれば条件クリアです。
⚠️ URのデメリット
築年数が古い物件が多い:リノベ済み物件もあるが、設備が古めのものも
立地が郊外寄りになりがち:都心の一等地には少なく、駅から遠い場合も
ペット不可・楽器不可が多い:条件が厳しい物件が多い
家賃が相場より高めの場合も:礼金ゼロの分、月額家賃がやや高めな物件もある

収入や貯蓄の条件さえ満たせれば、フリーランスでも独り身でも公平に申し込めるのが最大のメリットです。

解決策③ 保証人不要物件を探す

そもそも保証人が不要な物件を選ぶ方法です。

SUUMOやHOME’Sなどの不動産サイトで「保証人不要」で検索すると見つかります。

ただし注意点があります。

  • 保証人不要でも、保証会社は必要なケースがほとんど
  • 物件の競争率が高く、人気物件はすぐ埋まる
  • 訳あり物件(事故物件など)が含まれる場合もあるため、物件の詳細を必ず確認する

「保証人不要」という条件だけで飛びつかず、物件の状況をしっかり確認することが大切です。

フリーランスが賃貸審査を通るための準備リスト

審査前に用意しておくと、スムーズに進められます。

📄 必ず用意するもの
確定申告書(直近2〜3年分) 所得金額等の合計が審査の基準になる。節税しすぎに注意
身分証明書 運転免許証・マイナンバーカード・パスポートのいずれか
住民票 現住所の住民票(発行から3ヶ月以内のもの)
印鑑(認印) 契約書への押印に使用。シャチハタ不可の場合あり
あると審査に有利なもの
+
業務委託契約書・請求書 取引先との継続的な契約を証明できる。収入の安定性をアピール
+
開業届のコピー 個人事業主として登録済みであることの証明になる
+
前職の源泉徴収票(フリーランス1年目の場合) 独立前の安定収入の実績を示すことができる
+
クレジットカード(支払い履歴が良好なもの) 延滞なしのクレヒスが審査の信用力を高める

審査に落ちてしまったら

対策をしても、審査に落ちることはあります。でも、それで終わりではありません。

まず、落ちた理由を不動産会社に聞く

審査結果は「否決」とだけ伝えられることがほとんどですが、担当者に「何が原因だったか教えてもらえますか?」と聞いてみましょう。

理由を教えてもらえれば、次の対策が立てやすくなります。

収入が足りなかったのか、クレヒスの問題なのかによって、対処法がまったく異なります。

📖 クレヒスとは?
クレヒス(クレジットヒストリー)とは、クレジットカードや携帯電話の分割払いなどの支払い履歴のことです。
⚠️ 過去5年以内に3ヶ月以上の延滞があると「ブラックリスト」に載り、賃貸審査で大きなマイナスになります。

保証会社を変えられる物件を探す

保証会社にはいくつか種類があり、審査基準が会社によって大きく異なります。

ある保証会社で落ちても、別の保証会社なら通る場合があります。

担当者に「他の保証会社を使っている物件はありますか?」と相談してみましょう。

フリーランスに理解のある不動産会社に変える

不動産会社によって、フリーランスへの理解度には大きな差があります。

「フリーランスの方の対応実績がある」「個人事業主歓迎」をうたっている不動産会社に相談すると、審査が通りやすい物件を紹介してもらえることがあります。

同じ物件でも、担当者が変わるだけで結果が変わるケースもあります。

UR賃貸・シェアハウスに切り替える

どうしても一般の賃貸審査が難しい場合は、最初からUR賃貸やシェアハウスに切り替えるのも現実的な選択肢です。

収入条件さえクリアできれば、UR賃貸は保証会社も保証人も不要で審査のハードルが格段に下がります。

シェアハウスは初期費用も安く、審査がゆるい物件が多いです。

クレヒスを整えてから再チャレンジする

クレジットカードや携帯電話の分割払いに延滞歴がある場合、信用情報が回復するまで(最長5年)は審査が通りにくい状態が続きます。

この期間はUR賃貸やシェアハウスに住みながら、クレヒスを整えて再チャレンジするという方法もあります。

焦って何度も審査に落ちると、それ自体が信用情報に影響する場合もあります。

作戦を立て直してから次の物件に申し込む方が、結果的に早く決まります。

それでもやっぱり難しいと感じたら

もしこれからフリーランスへの転身を考えているなら、フリーになる前に引っ越しを済ませてしまうのが一番スムーズです。

会社員のうちは収入が安定していると見なされるため、審査がぐっと通りやすくなります。

フリーランス後の収入の予定や貯蓄額から「この家賃なら払い続けられる」という見通しを立てた上で、独立前に物件を契約してしまう。

フリーになってから不安ごとを一つひとつ解決しようとすると、思った以上にエネルギーを使います。

住まい・保険・保証人……こういった「もしも」の備えは、動けるうちに片付けておくのがおすすめです。

まとめ|独り身でも、保証人がいなくても大丈夫

独り身・フリーランスの賃貸 解決策まとめ
🏢
家賃保証会社を利用する
最もメジャー。物件の選択肢が広く、まず試してみたい人に
◎ 最初の選択肢
🏘️
UR賃貸住宅を選ぶ
保証人も保証会社も不要。収入・貯蓄条件をクリアできる人に
○ 条件が合えば最もラク
🔍
保証人不要物件・シェアハウスを探す
選択肢は絞られるが、審査のハードルが低い物件もある
△ 立地にこだわりが少ない人に

独り身・フリーランスだからといって、賃貸を諦める必要はありません。

「保証人がいない」という問題は、仕組みを知ることで解決できます。

引っ越しの際は、まず家賃保証会社対応の物件を中心に探してみてください。

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