個人で自由にブログを開設・運営できるようになって、最初に悩むのがイラスト・画像の著作権です。
自分が使った画像で、訴えられたら怖いよね…
でも、自分でイラストなんか書けないし、写真も下手だし…
自分はそんなつもりはなくても、気づかずに著作権を侵害していたり、
全世界の方が見る可能性があるWeb上では、「気づかれないからいいや」という安易な考えではいけません。
今回は、ブログを運営するうえで知っておきたいイラストや画像の著作権について、詳しく説明していきます。
- 自分が創作した以外の画像・イラスト使用を考えている方
- 著作権について知りたい方
- ブログサイトでのイラスト・画像の使用方法を知りたい方
著作権とは
ここで、改めて著作権について整理をしてみたいと思います。
絵や文章を書くことで、書いた人には著作権という権利が生まれます。これは、書くことを業としている人に限らず、誰もが持つことができる権利です。絵や文章を書いた人=著作者、表現されたもの=著作物といい、創作した人が持つ権利を著作権といいます。
著作権とは
著作権は著作物を保護するための権利です。
著作権とは | 日本弁理士会 (jpaa.or.jp)
著作物とは、思想又は感情を創作的に表現したものであって、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいいます。
身の回りにある著作物
身の回りにある著作権で保護された著作物は以下のようなものです。
言語(言葉によって表現されたもの) | 小説、脚本、論文、講演など |
音楽 | 楽曲、効果音、歌詞など |
舞踊、無言劇 | 日本舞踊、バレエ、ダンス、パントマイムの振り付けなど |
美術作品(色や形で表現されたもの) | 絵画、版画、彫刻、漫画、書など |
建築 | 住居、建造物、建築芸術など |
図形 | 地図、図面、図表、設計図など |
写真 | 人、物、風景などを撮影したもの |
映画 | 劇場用映画、テレビ番組、ネット配信動画、ゲームソフト、個人が制作したYouTube動画など |
プログラミング | ソフトウェア、コンピュータプログラム |
編集著作物(二次的著作物) | 上記の著作物を翻訳、編曲、変形、翻案し創作したもの |
編集著作物 | 事典、辞書、新聞、雑誌など |
データベース | ネット、コンピュータで検索できるもの |
その他にも、最近ではインターネットの普及により、Twitterのツイートなども著作物と考えられるようになってきています。
著作物ではないもの
著作物は「創作的」であることが求められますので、思想や感情を表現していないデータや、他人の創作物に似せたものなどは著作物ではありません。
また、次のものは著作物であっても、著作権はありません(著作権法第13条)。
- 憲法そのほかの法令
- 国や地方公共団体又は独立行政法人の告示、訓令、通達など
- 裁判所の判決、決定、命令、審判など
- 1~3の翻訳物や編集物で国や地方公共団体又は独立行政法人が作成するもの
著作者の権利
著作者の権利は、人格的な利益を保護する著作者人格権と財産的な利益を保護する著作権(財産権)の大きく2つに分かれます。
著作者人格権
著作者人格権は具体的に以下の4つです。
1.公表権 |
公表されていない著作物について、公表するかどうか、公表する場合は、いつ、どのような方法でするかを決めることができる権利。 |
2.氏名表示権 |
著作物を公表する場合に、著作者の名前を表示するかしないか、表示する場合は、実名なのか、ペンネームでするかなどを決めることができる権利。 |
3.同一保持権 |
自分の著作物の内容又は題名を自分の意に反して勝手に改変されない権利。 |
4.名誉声望保持権 |
著作者の名誉や声望を害する方法により著作物を利用することを禁止できる権利。 |
著作人格権は、創作者の思いを保護するものであるため、第三者に相続できるものではないということもあわせて理解しておきましょう。
言い換えれば、それは著作物が他の人に著作者人格権は著作者のもとに残るということで、新たに譲り受けた人であっても、著作者人格権は侵害しないように注意をしなければいけないということです。
著作権(財産権)
著作権に含まれる権利の種類には、具体的に以下があります。
1.複製権 | 著作物を複製する権利 |
2.上映権・演奏権 | 著作物を公に直接見せ、聞かせることを目的とし上演したり、演奏する権利 |
3.上映権 | 著作物を公に上映する権利 |
4.公衆送信権・公の伝達権 | 著作物を公衆送信を行う権利。また、それらの公衆送信された著作物を受信装置を使って公に伝達する権利 |
5.口述権 | 言語の著作物を公に口述する(朗読など)権利 |
6.展示権 | 美術の著作物とまだ発行されていないの写真の著作物を原作品により公に展示する権利 |
7.頒布権 | 映画の著作物の複製物により頒布する権利 |
8.譲渡権 | 映画以外の著作物の原作品又は複製物を公衆へ譲渡する権利 |
9.貸与権 | 映画以外の著作物の複製物を公衆に貸与する権利 |
10.翻訳権、翻案権など | 著作物を翻訳、編曲、変形、脚色、映画化、翻案等する権利 |
11.二次的著作物の利用権 | 自分の著作物を原作品とする二次的著作物を利用することについて、二次的著作物の著作権者が持つものと同じ権利 |
著作権の制限
著作権法では、著作権を制限して著作物を自由に利用できるように定めています。
ブログなどインターネット上で使用する場合は、私的使用とは言えませんので自由に利用する対象にはなりませんが、「引用」というかたちで著作物を引用して利用することができますので、正しい引用方法を押さえておきましょう。
ブログサイトでのイラスト・画像の使用方法
ブログサイトを運営するうえで、イラスト・画像の著作権を侵害しないように押さえておくポイントをしっかり押さえましょう。
ネット上の画像・イラストは著作権法で保護されています。
いまは、Twitterや無料ブログなどで簡単に画像をネット上にあげることができるようになりました。簡単に上げられる画像でも、ネット上の画像は、著作者の著作物であり、著作権法で保護される対象です。
写真、イラストなどを無断で転載したり、ネット上で使用することは違法行為になりますので、無断使用は絶対にしないようにしましょう。
フリー素材だからといって何でも自由につかえるということではありません。
著作物を無料で利用できる「フリー素材」も増えてきました。
しかし、フリー素材といっても何でも自由で使えるわけではありません。
なぜフリー素材として利用が可能であるのか。
著作物の権利放棄は著作者でしかできませんので、著作者が何をどこまで放棄し、承諾しているのかを利用規約などで必ず確認しましょう。
大半のフリー素材が「規約で許可した範囲内であればフリー」というのがほとんどです。
利用条件の確認も忘れずに。
利用規約と一緒に確認しておきたいのが、利用条件です。「商業利用の場合は有料」「クレジットの明示」「画像の加工の可否」などといった利用条件が記載されています。フリー素材サイトの画像を使用するときは、必ずその条件にあった利用をしましょう。
素材を作成した人の「著作者人格権」は尊重しましょう。
上記にもありましたが、著作者人格権は創作者の思いやこだわりを保護するものです。自分が創作したものを自分の思い以外の形で使用されるといやな気持になりますよね。
新たに譲り受けたとしても、素材を作成した人がいやな気持にならない素材の使い方をしましょう。
まとめ
今回は、ブログを運営するうえで、基本知識として学んでおきたい著作権について整理しました。
ブログ初心者が知らないうちにやってしまいがちな著作権の侵害。
知らなかったですまされない、立派な犯罪です。
だからといって、見やすいブログをつくるには画像やイラストの使用は切っても切り離せません。
フリー素材のサイトが増えているのも、時代の流れが大きく影響しているものと思います。
自分で一から写真やイラストを用意できるのが一番ですが、それらを普段から仕事としているような人でなければ、時間ばかり過ぎてしまいます。
フリー素材を効果的に利用していくためにも、著作権に関するルールを正しく理解して、やっていいこととダメなことを知っておきましょう。